AI倫理に関する基本方針

当社は、「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、統合型クラウドERPを開発・提供しています。この統合型クラウドERPを通じてスモールビジネスを中心とした企業や個人事業主の皆さまの業務をより便利に進化させるための要素技術として、当社は積極的にAI(人工知能)技術を活用したサービスを展開しています。AIは、業務の効率化やユーザー体験の向上など、多くの可能性をもたらす一方で、プライバシーや公平性、セキュリティといった重要な課題を伴う技術でもあります。

このような状況を踏まえ、当社では国内外で公表されているさまざまなガイドライン・フレームワーク等を参考に、「責任あるAI活用」と「社会的信頼の獲得」を両立させるための取り組みを進めています。本方針は、そうした取り組みの基本となる姿勢や考え方を社内外に広く浸透させ、当社がAIサービスを提供する上で守るべき原則を明確にするために制定しました。本方針は、フリー株式会社およびフリー株式会社のグループ会社が提供するAI関連サービスや開発プロセスすべてに適用されます。私たちは、ユーザーや顧客企業、パートナーをはじめとするあらゆるステークホルダーとの協力のもと、AIがもたらす価値を最大限に引き出しながら、社会に安心と信頼を与えるサービスを提供してまいります。

  1. (1)人間中心のAI

    AIは人々の意思決定を支援し、イノベーションを促進するものであるべきです。当社は、すべての人にAIの恩恵が行き渡るよう、社会課題の解決や持続可能な未来の実現に向けてAIを活用します。また、当社サービスのお客様の自律的な意思決定を尊重することを前提にした設計・実装・テスト・監視を行い、自動化バイアス等のAIに過度に依存するリスクに注意を払い、運用中も継続的にモデルをモニタリングし、不具合や予期せぬ挙動が発生した場合は速やかに対処・改善します。

  2. (2)公平性と倫理的配慮

    個人情報を含むデータは慎重に管理するとともに、AIが不当な差別や偏見を助長しないよう公平性を維持することに努めます。また、AIが特定の属性(年齢、性別、国籍など)に基づいて不当な判断を下さないよう、バイアスの有無を定期的に検証し、不適切な差別がなくなるよう是正措置を講じます。これらの実現のために、専門家やステークホルダーとの対話を通じて改善を続けます。

  3. (3)透明性と信頼性

    AIの意思決定プロセスやデータの取り扱いについては、利用者に対して分かりやすく説明し、可能な限り透明性を確保します。また、重要な意思決定に関わる機能やデータにAIの処理が関与する場合には、それらの機能やデータをどのように活用すれば良いかについて説明し、利用者の理解を促す仕組みを整えます。AIの透明性を高めることで、社会からの信頼を獲得し、責任あるAI運用を推進します。
    また、AIが誤った判断を行う可能性があるという視点を常に持ち、AIができるだけ正確で一貫した結果を提供できるよう設計・開発時に検証を行い、誤作動や想定外のリスクが発生しないよう安全性について十分な対策を講じます。

  4. (4)プライバシーとセキュリティ

    AIが取り扱うデータには、個人情報や機密情報が含まれる可能性があり、プライバシー保護は極めて重要であると認識しています。当社はデータを適切に管理し、ユーザーのプライバシーを尊重します。
    また、サイバー攻撃による情報漏洩が発生するリスクも認識し、これらの脅威からAIシステムを保護するためのセキュリティ対策を徹底します。運用フェーズにおいてもAIシステムの運用に伴うセキュリティリスクを定期的に評価し、適切な対策を講じることで安全な環境を提供します。

  5. (5)ガバナンス体制

    当社は、AIを活用したサービスを提供するにあたり、透明で責任ある運用を実現するために、適切なガバナンス体制を確立します。
    AI開発においては、経営層・法務・セキュリティ・開発・リスク管理等の各組織が連携し、適正な意思決定が行われるよう社内ガイドラインを策定し、プロジェクトごとに倫理的・法的およびセキュリティリスクの評価を実施します。
    運用フェーズでは、AIのパフォーマンスやリスクを継続的に監視し、問題の早期発見と対処を行うとともに、定期的な経営陣による体制及びその運用のレビューによりガバナンスの確保に努めます。