その他2025-07-16

freee人事労務、令和7年度の税制改正の認知度と年末調整に関する調査データを公開 年収の壁の引き上げに関する実務の準備ができている企業は3割程度


■マジ価値サマリー(このお知らせでお伝えしたいこと)

  • 年末調整業務について期日までの書類回収や不備の確認など約85%が何らかの負担を感じている
  • 今年度の税制改正「年収の壁引き上げ」「特定親族特別控除」について理解でき、対応の準備ができている企業の年末調整業務担当者は3割程度
  • 年末調整業務においては「不備のチェック」が最大の課題に

 フリー株式会社(本社:東京都品川区、CEO:佐々木大輔、以下「freee」)が提供する「freee人事労務」は、年末調整業務を担当する500人を対象に、年収の壁が103万円から160万円に変わったことや、学生アルバイト向けに新設された控除などの令和7年度の税制改正について、その認知度や対応に関する実態調査を公開しました。

<調査概要>
調査期間:2025年6月19日〜2025年6月27日
調査方法:WEBアンケート方式
調査対象:21〜1,000名規模の企業に勤める年末調整業務担当者
有効回答:500件

■年末調整業務は約85%が何らかの負担を感じている

年末調整業務において、企業の人事・経理担当者が特に負担に感じていることに関するアンケート結果が示されています。回答者500名のデータによると、最も負担に感じられているのは「回収した情報に不備がないかの確認・チェック」で22.4%を占めています。これに続き、「期日までの書類回収・督促」が16.4%、「最新の法令の把握」が13.2%と、それぞれ上位の負担項目として挙げられています。
その他の主な負担としては、「従業員への案内・申告書類の配布」が9.8%、「従業員からの問い合わせ対応」が9.6%と、従業員とのコミュニケーションに関連する業務も大きな割合を占めています。また、「還付追徴額の計算・ダブルチェック」と「法定調書合計表・給与支払報告書・源泉徴収票の作成、発行」がそれぞれ4.8%となっています。
比較的負担が少ないと感じられている項目としては、「税務署や自治体への電子申告」が2.0%、「委託先とのやりとり」が1.6%、「給与支払報告書を自治体別に封入・郵送」が0.8%に留まっています。「特に負担に感じているものはない」と回答した人も14.4%いました。この結果から、年末調整業務においては、特に書類の正確性の確認と期日管理、そして法改正への対応が大きな課題となっていることが示唆されます。

年末調整業務で負担を感じている業務については、「回収した情報に不備がないかの確認」が22.4%、「期日までの書類回収・督促」が16.4%、「特に負担を感じているものはない」が14.4%となりました。
その結果、期日までの書類回収や不備の確認など約85%が年末調整業務に対して何らかの負担を感じていることがわかりました。

■年末調整業務の煩雑化が想定される今年も例年と変わらず、情報収集は9月から高まり10月がピークに

年末調整に関する情報収集の開始時期について、500名の回答者から得られた単一回答のデータが示されています。このデータによると、最も多くの企業が情報収集を開始するのは10月で、全体の46.2%を占めています。次いで11月に情報収集を開始する企業が13.0%、**9月に開始する企業が11.4%**と続きます。
一方で、年明けの1月から情報収集を開始する企業も4.4%あり、2月は0.8%、3月は2.8%、4月は4.2%、5月は2.6%、6月は3.6%、7月は4.4%、8月は4.0%と、年間を通じて少なからず情報収集を行っている企業があることがわかります。12月に情報収集を開始する企業は2.6%でした。この結果から、多くの企業が年末調整が本格化する直前の秋口から情報収集を開始する傾向にあることが明らかになります。

年末調整に関する情報収集ニーズは9月ごろから高まり始め、10月がピークとなることがわかりました。また11月も引き続き情報収集を行うことがわかりました。
例年、税制改正の法案は、3月末までに国会で審議され、4月1日から施行されます。改正内容について、企業の年末調整業務担当者は例年9月〜10月頃に情報収集を開始し、11月末までに対応を完了するケースが多いです。今年度は、改正の内容が例年よりも複雑であり、年末調整業務の煩雑化が想定されますが、例年通り10月に情報収集を開始すると回答した担当者が5割近くにのぼりました。

■令和7年度の税制改正の「年収の壁」「特定親族特別控除」を理解・対応準備できているのは3割程度

2025年の税制変更点に関する認知・準備状況のアンケート結果が示されており、2つの円グラフで構成されています。回答者数は500名です。
左側の円グラフは**「年収の壁(103万円の壁)引き上げの認知」**に関するものです。これによると、63.2%の人が制度について理解できており、実務上の対応準備もできていると回答しています。次いで、なんとなく知っているものの、詳細はまだ理解していない人が31.8%を占めました。そして、「年収の壁(所得税103万円の壁)引き上げ」という言葉自体を聞いたことがない人は5.0%でした。
右側の円グラフは**「特定親族特別控除の認知」**に関するものです。こちらでは、**制度について理解できており、実務上の対応準備もできていると回答した人が58.0%**でした。なんとなく知っているが詳細はまだ理解していない人は31.2%を占め、言葉自体を聞いたことがない人は10.8%となっています。
この結果から、「年収の壁(103万円の壁)引き上げ」の認知度と対応準備状況は、「特定親族特別控除」よりも進んでいることが読み取れますが、いずれの税制変更点においても、まだ詳細を理解していない人や、言葉自体を知らない人も一定数存在することが示されています。

令和7年度の税制改正による新制度の年収の壁について「なんとなく知っているが詳細は理解しきれていない」が63.2%、「制度について理解できており、実務上の対応準備もできている」が31.8%、「年収の壁引き上げという言葉自体を聞いたことがない」が5%となりました。
また、今年度の改正で新設された学生アルバイト向けの特定親族特別控除についても、「なんとなく知っているが詳細は理解しきれていない」が58%、「制度について理解できており、実務上の対応準備もできている」が31.2%、「特定親族特別控除という言葉自体を聞いたことがない」が10.8%となりました。
二つの新たな制度について理解でき、対応の準備ができている企業の年末調整業務担当者は3割程度であることがわかりました。

■2025年の年末調整での不安は従業員へのコミュニケーションに関連する内容が上位に


今年の年末調整で不安なことに関するアンケート結果が示されており、500名の回答者による複数回答形式のデータです。最も多くの回答者が不安に感じているのは、「従業員に対して、正しく年末調整の案内を行えるか」で、212票を集めています。これは、従業員への情報伝達や説明の正確性に関する懸念が大きいことを示唆しています。
次に不安なこととして挙げられているのは、「制度の内容を正しく理解できるか」で192票です。税制改正などにより、制度が複雑化していることへの懸念が見られます。さらに、「従業員からの問い合わせに正しく答えられるか」が187票と続き、従業員からの質問に対する適切な対応能力に不安を感じている人が多いことが分かります。
その他、具体的な実務に関する不安としては、「正しく税額の計算を行えるか」が164票、「利用している給与システムが法令に対応したものであるか」が100票となっています。また、外部専門家との連携に関する不安も存在し、「税理士・社労士との連携」が55票、「税理士・社労士の委託料の値上げ」が17票となっています。
一方で、「特に不安なことはない」と回答した人も92票おり、一部には年末調整に対して特に懸念を抱いていない人もいることが分かります。その他の回答は1票でした。全体として、多くの担当者が、年末調整の正確な実施や従業員への適切な対応に関して不安を抱いている状況がうかがえます。

今年の年末調整において不安なこととして、「従業員に対して正しく年末調整の案内を行えるか」「制度の内容を正しく理解できるか」「従業員からの問い合わせに正しく答えられるか」が上位に挙がり、従業員へのコミュニケーション面での不安が目立ちました。

■年末調整に関するシステム導入は「従業員が使いこなせない」が最大の懸念

システム導入時の懸念について、127名の回答者からの複数回答形式のアンケート結果が示されています。このデータによると、最も懸念されているのは「従業員がシステムを使いこなせない」ことで、43件の回答がありました。これは、新しいシステム導入時に従業員のITリテラシーや慣れの問題が大きな課題となることを示唆しています。
次に多かった懸念は、「どのシステムを選べばいいかわからない」で28件でした。これは、数多く存在するシステムの中から自社に最適なものを選ぶことの難しさを示しています。また、「特に困っていることはない」と回答した人も24件おり、システム導入の必要性を感じていない層も一定数存在することが分かります。
価格に関する懸念も高く、「価格が見合わない」が23件でした。さらに、「これまでも紙の申告書で実施できているため、システムの必要性を感じていない」が18件と、現状維持で問題ないと考えている企業も少なくありません。
その他、「給与システムを変更することができない」が15件、「担当者自身がシステムを使いこなせない」が10件、「システムの必要性を上長・経営層に対して説明できない」が8件と続き、システム変更の障壁や担当者自身のスキル、上層部への説明責任に関する懸念も挙げられています。その他の回答は6件でした。全体として、システム導入においては、従業員の順応性、システム選定の難しさ、費用対効果、そして既存業務からの移行への抵抗感が主な懸念事項となっているようです。

年末調整における従業員からの情報回収(生命保険料控除の証明書や、扶養に関する書類等)のためのシステム導入を検討する上での懸念点を聞いたところ、「従業員がシステムを使いこなせない」が上位となりました。

■回収手段が紙・システムを問わず「不備のチェック」が年末調整業務の最大の課題


年末調整業務の最大の負担について、回答者を「紙回収層(N=127)」と「システム回収層(N=290)」に分けて比較した棒グラフです。
紙回収層では、「回収した情報に不備がないかの確認・チェック」が27.6%で最大の負担となっています。次いで、「期日までの書類回収・督促」が18.9%、「特に負担に感じているものはない」と「従業員への案内・申告書類の配布」がそれぞれ13.4%と続きます。「最新の法令の把握」は9.4%、「従業員からの問い合わせ対応」は7.1%でした。その他の項目は、「還付追徴額の計算・ダブルチェック」が3.9%、「法定調書合計表・給与支払報告書・源泉徴収票の作成、発行」が3.1%、「税務署や自治体への電子申告」が0.8%、「給与支払報告書を自治体別に封入・郵送」が2.4%です。「委託先とのやりとり」と「その他」は0%でした。
一方、システム回収層でも、「回収した情報に不備がないかの確認・チェック」が22.1%と最大の負担ですが、紙回収層よりもその割合は低くなっています。システム回収層で次に負担となっているのは**「最新の法令の把握」で16.2%、「期日までの書類回収・督促」が15.5%**です。「特に負担に感じているものはない」は10.7%、「従業員への案内・申告書類の配布」は10.3%、「従業員からの問い合わせ対応」は9.0%でした。その他の項目は、「還付追徴額の計算・ダブルチェック」が6.2%、「法定調書合計表・給与支払報告書・源泉徴収票の作成、発行」が5.5%、「税務署や自治体への電子申告」が2.8%、「委託先とのやりとり」が1.0%、「給与支払報告書を自治体別に封入・郵送」が0.3%、「その他」も0.3%でした。

年末調整で特に負担に感じていることは、紙で回収を行う企業・システムで回収を行う企業いずれも「従業員から回収した情報に不備がないかの確認・チェック」であることがわかりました。
従業員が年末調整の提出を行う際にミスが多く発生しているのが、生命保険料控除の書類提出間違いや扶養家族の情報、住宅ローン控除、本人・家族の所得情報の記載ミスです。
「不備のチェック」は紙の申告書類で回収を行う層・回収にシステムを利用している層の両方で最大の課題となっており、システム導入後にも不備の課題は残り続けることがわかりました。

■freee人事労務は2025年分より「AI年末調整」を提供開始、従業員の入力不備をゼロに

この画像は、freeeのAI年末調整機能について紹介するもので、2025年秋にリリース予定であり、年末調整機能のオープン時期を示しています。中央に大きく「AI年末調整」と表示され、その下に「AIが従業員の入力内容をチェック 不備が減るから、確認する労務がもっと楽に」というキャッチコピーがあります。
画面左側には「人事労務」と「従業員」という二つの役割を示すタグがあり、システムが双方にとってメリットがあることを示唆しています。画面右側には、スマートフォンの画面が重ねて表示されており、「証明書のアップロード」というタイトルが見えます。画面内では、「以下の内容を確認します」として、複数の項目がリストアップされています。具体的には、「今後7年の画像である」「『保険等の契約者』の情報が鮮明に写っている」「『保険の種類』の情報が鮮明に写っている」「『区分』の情報が鮮明に写っている」「『保険料額』の情報が鮮明に写っている」といった内容が確認されることを示しています。
画面の下部には、赤いボックスで「証明書 本年度(令和7年)の証明書ではありません アップロードされたもの:令和6年分」という警告が表示されており、AIがアップロードされた書類の年度をチェックしている様子が伺えます。その下には「実証明書は従業員本人ではない可能性があります 内容を確認し修正した後、次へ進んでください」という指示も表示されており、AIによる確認と利用者による最終確認の流れを示しています。さらに、右下にはfreeeのキャラクターである「freee TOGO World」の青いキャラクターが、スマートフォンの画面を見ているイラストが配置されています。

freee人事労務は、2025年秋頃にAI年末調整の提供を開始予定です。
AI年末調整では、従業員が手元にある生命保険料控除の書類をアップロードすると、AI OCRが書類を読み取り、契約者・保険種類・区分・金額を自動入力します。また、年度や保険者名の違う書類をアップロードするとエラーとなり、提出前に従業員自身がミスに気付き正しい情報で提出を完了でき、人事労務担当者の確認作業を効率化します。

■7月22日〜24日の3日間「年調大改正2025 完全攻略サミット」をオンラインで開催


この画像は、freee人事労務が開催する「年調大改正2025 完全攻略サミット 有識者大集合スペシャル」の告知バナーです。キャッチコピーとして「労務にファイナルチャンス」とあり、「103万円の壁」引き上げ問題について「これを聞けば一発理解。」と説明されています。
イベントは7月22日(火)、23日(水)、24日(木)の3日間にわたって開催され、開催時間は毎日15:00から16:30です。形式はオンラインで、参加は無料です。
登壇者として3名が紹介されています。左から、元国税部長である坂野 茂氏、舩津 貴明氏、そしてfreeeの松本 慧奈氏です。各登壇者の写真も掲載されています。

「103万の壁」等の課題や複雑化する年末調整について、元国税局長と税理士が令和7年度の大改正を徹底解説します。また、freee人事労務ユーザーの方をお招きし、年末調整のデジタル化による業務効率化の実例や具体的な変化についてお話しいただきます。

<開催概要>
セミナータイトル: 元国税局長&税理士が語る迫り来る103万の壁引き上げ…年調大改正2025 完全攻略サミット
開催日時: 2025年7月22日(火)・23日(水)・24日(木) 各日15:00-16:30
※3日間すべて同内容です。
開催方法: オンライン(お申し込み後にURLをメールでご案内します)
参加費:無料
参加対象: 人事労務部門の責任者・担当者、経営者・役員の方
定員:2,000名(競合他社、監査法人、証券会社、IPOコンサル会社等の方には参加をご遠慮頂く場合がございます)
主催:辻・本郷 税理士法人、辻・本郷 ITコンサルティング株式会社、フリー株式会社
参加方法: 下記のURLからお申し込みください。
https://go.freee.co.jp/nencho2025-perfect-guide.html



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