ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

freeeグループは、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションに基づき、社会における企業の責務を認識し、各種サービスを通じた社会貢献、当社を取り巻く利害関係者の調和ある利益の実現に取り組んでまいります。これらを踏まえ、経営管理体制の整備に当たり、事業活動の透明性及び客観性を確保すべく、業務執行に対するモニタリング体制の整備を進め、適時情報公開を行ってまいります。

コーポレート・ガバナンス体制

体制図

freeeの体制図

取締役会

当社の取締役は、代表取締役佐々木大輔(取締役会議長)、取締役東後澄人、取締役横路隆、独立役員社外取締役ユミ ホサカ クラーク氏の4名です。また、当社の監査等委員である取締役は、内藤陽子氏(常勤)、平野正雄氏(非常勤)、浅田慎二氏(非常勤)の3名で構成されており、全員が独立役員社外取締役です。
当社の取締役会は、原則月1回の定時取締役会に加え、必要に応じて開催する臨時取締役会に取締役及び監査等委員である取締役が出席し、法定その他経営上の重要事項の審議、報告及び決議を行っております。当社の取締役会では、重要な業務執行の決定に加え、社外取締役の視点も踏まえた経営の監督を実施しております。

監査等委員会

当社の監査等委員である取締役は、内藤陽子氏(常勤)、平野正雄氏(非常勤)、浅田慎二氏(非常勤)の3名で構成されており、全員が独立役員社外取締役です。
監査等委員である取締役は、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査監督を行っております。監査等委員である取締役は、それぞれ財務・会計に関する知見、長年にわたるSaaS業界における知見を活かして独立・中立の立場から客観的な意見表明を行っております。監査等委員である取締役は、株主総会や取締役会への出席や、取締役・従業員・監査法人からの報告収受など法律上の権利行使のほか、常勤監査等委員である取締役は重要な経営会議への出席や事業所への往査など実効性のあるモニタリングに取り組んでおります。

取締役会の実効性評価

実効性評価の実施概要

取締役(監査等委員である取締役を含む)を対象として、取締役会があるべき役割を実効的に果たしているか評価し、課題に関しては改善することを目的に、取締役会の実効性評価に関するアンケートを2023年6月から2023年7月にかけて実施いたしました。
今年度の重点評価テーマ(議論の内容)や定点評価テーマ(取締役会の運営)等の4つのテーマに関するアンケートについて、5段階評価とフリーコメントによる全取締役の回答を集計し、2023年8月の取締役会において、当事業年度に予定している改善施策と併せて報告いたしました。

評価結果の概要

当該アンケートの結果としては、全体の実効性は概ね問題なく、監査等委員会設置会社に移行したことに伴う、より戦略的・大局的な議論への移行が適切にできていること、社内取締役と社外取締役における評価に乖離はなく課題意識を有する項目は概ね一致していることが示されました。検出された課題については、当事業年度の取締役会アジェンダに反映させること等の改善施策についても取締役会において報告されました。取締役会の実効性をより高めていくため、さらなる改善に努めてまいります。

役員報酬

報酬決定プロセス

当社における個別の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等については、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内において、取締役会の決議により決定しております。なお、取締役の個別の報酬については、取締役会で個別の金額を開示した上で決議するものとし、取締役会に付議する当該議案については、事前に社外取締役に相談のうえ上程しております。
監査等委員である取締役の個別の報酬等については、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内において、監査等委員である取締役の協議により決定しております。

報酬決定の基本方針

当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、外部機関による調査をもとに、日本国内外の当社と規模や業種・業態の類似する企業を対象に、報酬制度や報酬水準について、当社の現行制度や報酬水準と比較検討したうえ、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するような報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としております。具体的には、基本報酬(金銭報酬)並びに株式報酬(業績連動型株式報酬及び譲渡制限付株式報酬)により構成されます。ただし、社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、基本報酬(金銭報酬)のみとしております。
また、当社の監査等委員である取締役の報酬は、基本報酬及び譲渡制限付株式報酬のみとし、その職責及び経済情勢等諸般の事情も考慮して、監査等委員である取締役全員の協議により決定いたします。

報酬

 人数報酬等
の総額
報酬等の種類別の総額
基本報酬業績連動報酬非金銭報酬
業績連動型株式譲渡制限付株式
取締役(監査等委員を除く)476,888千円55,560千円6,960千円14,368千円
(うち、社外取締役)16,000千円6,000千円千円千円
取締役(監査等委員)323,229千円16,200千円千円 7,029千円
(うち、社外取締役)323,229千円16,200千円千円7,029千円
合計7100,118千円71,760千円6,960千円21,398千円

(注)

  1. 取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
  2. 非金銭報酬として、監査等委員である取締役及び社外取締役を除く取締役並びに監査等委員である取締役に対して譲渡制限付株式報酬を交付しております。上記「譲渡制限付株式」は、当事業年度に費用計上した金額を記載しております。
  3. 業績連動報酬として、監査等委員である取締役及び社外取締役を除く取締役に対して、業績連動型株式報酬制度を導入しております。業績連動報酬等の額の算定の基礎として選定した業績指標の内容は、評価期間における当社株主総利回り(以下、「TSR」)と東証株価指数(以下、「TOPIX」)を構成する全銘柄にかかるTSRとの比較に応じて算出される業績目標達成度であり、当該業績指標を選定した理由は、当該報酬に市場の評価を反映し株主との利害共有度を高め、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを進めることができると判断したからであります。業績連動報酬等の額の算定方法は次のとおりです。
    • 交付株式数 = 基準交付株式数 × 株式交付割合
    • 基準交付株式数 : 当社取締役会において対象取締役の役位等に応じて決定
    • 株式交付割合 :
      1. 当社TSRがTOPIX全銘柄の50パーセンタイル未満の場合:0%
      2. 当社TSRがTOPIX全銘柄の50パーセンタイル以上75パーセンタイル未満の場合:50%
      3. 当社TSRがTOPIX全銘柄の75パーセンタイル以上95パーセンタイル未満の場合:100%
      4. 当社TSRがTOPIX全銘柄の95パーセンタイル以上の場合:150%

      本報酬は業績指標に係る評価期間を3年間、それぞれ2021年10月から2024年9月、2022年10月から2025年9月としておりますので、当事業年度における業績指標の実績はありません。上表中の「業績連動型株式」は、当事業年度に費用計上した金額を記載しております。

会計監査報酬

区分2022年6月期2023年6月期
監査証明
業務に基
づく報酬
(千円)
非監査業
務に基づ
く報酬
(千円)
監査証明業務に
基づく報酬
(千円)
非監査業務

基づく
報酬
(千円)
提出会社44,00013,36044,5508,850
連結子会社
44,00013,36044,5508,850

経営メンバーへの委任の範囲

当社は、取締役会の業務執行の相当な権限を各取締役に移譲することのできる監査等委員会設置会社を採用しており、当社の取締役会は法令、定款及び取締役会規程並びに職務権限規程に基づき、経営の基本方針や事業計画、重要な業務執行の決定を行い、各取締役の業務執行の監督を行うとともに、経営戦略等の議論を活発に行っています。
機動的な意思決定を担保するため、取締役会は取締役会規程において各取締役及び経営陣への業務執行の委任の範囲を意思決定の重要度やリスクに応じて決定しており、各取締役及び経営陣は移譲された範囲内での業務執行を行い、重要なものについては取締役会へ報告しております。

コンプライアンス

腐敗防止方針

freeeグループは、コンプライアンスにかかわる規程に基づき、国内・海外を問わず、あらゆる形態の贈収賄・腐敗の防止の徹底に努めており、この点において一切妥協しません。

適用範囲

当方針は、freeeグループの全役職員(役員・正社員・契約社員を含む、すべての社員)に対し適用されます。ビジネスパートナーやその他関係者に対して、当方針の支持を期待し、サプライヤーに対しては支持並びに遵守を期待します。

腐敗行為の防止

贈収賄、横領、利益供与の強要、不正入札等の自己または第三者の職務上の権力や地位を濫用する行為、その他私的な利益のために行われる一切の行為、或いは疑いをもたれる行為を厳に慎みます。

贈収賄の防止

贈収賄に関して、freeeグループは公務員や民間取引先含めた第三者に対し、直接、間接を問わず、ビジネスの獲得・維持や不適切なビジネス上の優位性確保等のために不適切な影響を及ぼすことを目的とした、金銭・贈答品、接待、便益その他の利益の供与を行いません。また、freeeグループの意思決定に影響を及ぼすおそれのある金銭・贈答品、接待、便益その他の利益の供与を受けません。

適正な取引

freeeグループは、公正で自由な競争を守るため、国内外の競争法をはじめとする取引に関する基本ルールを遵守し、法と正しい企業倫理に基づいた行動に徹します。

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律などの競争法は、公正で自由な取引を制限することを禁止しています。例えば、違法な取引の例として以下のものが挙げられます。

  • 事業者が相互に連絡を取り合い、本来、各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決め、競争を制限する行為(カルテル)
  • 国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札の際、入札に参加する事業者らが事前に相談して、受注事業者や受注金額などを決める行為(入札談合)
  • 事業者が単独又は他の事業者と手を組み、不当な低価格販売、差別価格による販売などの手段を用いて、競争相手を市場から排除したり、新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為(排除型私的独占)
  • 有力な事業者が、株式の取得、役員の派遣などにより、他の事業者の事業活動に制約を与えて、市場を支配する行為(支配型私的独占)

freeeグループの全役職員(役員・正社員・契約社員を含む、すべての社員)は、これらの競争法を遵守します。

関連当事者間の取引

利益相反取引及び競業取引については取締役会規程において取締役会決議事項と定めており、当該議案においては特別の利害関係を有する取締役は審議及び議決に参加できないこととしております。
関連当事者取引については、社内稟議において、経営基盤本部長が事前に取引の合理性(事業上の必要性)及び取引条件の妥当性を検討の上、承認を行うこととしております。

知的財産の保護

freee及びfreeeグループでは、第三者が正当に保有する知的財産権を尊重し、適切に保護します。また、当社は、当社が保有する知的財産権を適切に保護します。

内部通報制度について

freeeグループは、社内における法令等に違反する行為または違反するおそれのある行為に関連する情報を早期に収集し、是正を図ることで、コンプライアンス経営を推進することを目的とし、内部通報制度を設けています。

内部通報窓口は、内部通報規程を制定したうえで、freeeグループのメンバー及び役員が利用できる社内窓口、監査等委員窓口、社外窓口(法律事務所)の3つの窓口を設置し、執行役員や役員が関係する事案については、監査等委員が対応することで、経営幹部からの独立性を確保しています。

通報があった場合には、社内において十分な調査を行ったうえで、是正を行い、通報者が内部通報窓口に通報したことにより、不利益な取り扱いを受けることのない体制を整備しています。

社会のインフラとしての使命

freeeグループはスモールビジネスの生産性向上に寄与するサービスを提供しており、2022年6月末時点で約38万のユーザーにご利用頂くなど、freeeグループのサービスは社会のインフラであると認識しております。ユーザーの皆様に、いつでも安心してご利用頂くために、サービスの安定稼働に努めております。

freeeグループのサービスはユーザーの重要な情報資産を扱っており、これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティに係る専任チームを設置し、情報資産を適切に管理、保護しております。具体的には、「freee会計」において国際的な保証報告書であるSOC1 Type1報告書及びSOC1 Type2報告書を取得しているほか、個人情報保護に係る国際認証であるTRUSTe認証を取得し、関連法規類に準拠した情報保護を実施しています。また電子決済等代行業の認可にあたっては金融庁からFISC安全対策基準をベースにしたセキュリティ基準への準拠を審査されております。さらに、情報セキュリティ基本方針を定め、メンバーに対して継続的な研修活動や障害訓練を実施しております。

なお、freeeグループのセキュリティに関する考え方やセキュリティの取り組み等については、「セキュリティホワイトペーパー」として開示しております。

事業継続に向けた体制強化

freeeグループは、メンバーとその家族の命と安全を優先したうえで、サービスの継続提供により、ユーザーに価値を届け続けることを目指すことをポリシーに掲げ、危機管理マニュアルを策定しております。また経営上の重大なリスクへの対応方その他リスク管理の観点で重要な事項についてはリスク管理委員会にて協議し、必要に応じ取締役会にて報告・協議しております。