創業から変わらない想い
「美容師は女性の仕事と言われていた時代に、祖父が始めた美容院。男性美容師ばかり集めていて、そのコンセプトが新しくて、その地域で少し流行ったんです」
6月22日、freeeが行った新戦略発表会の壇上で、CEOの佐々木大輔はそういって自身の原体験を述べた。
freeeは佐々木が自宅の居間で創業した当初から『スモールビジネスを、世界の主役に。』という想いを持ってサービス提供を続けている。
その信念の元となったのが、冒頭の話。
祖父が地元で起こしたちょっとしたイノベーションに、未来を見た。
スモールビジネスの持つ可能性
スモールビジネスはしがらみにとらわれることなく、アイデアを大胆に、スピード感を持って具現化できる。ビジネスオーナーのパッション、意思が色濃く反映されたプロダクトだからこそ、新しい価値観が生まれ、世界の色彩が鮮やかになり、世の中がオモシロくなる。
freee創業からまもなく10年が経つが、佐々木のスモールビジネスに対する想いは変わらない。それどころか、これからの10年、スモールビジネスが世界にとってより重要なものになっていくという確信は今、さらに深まっている。
世の中では様々な商品・サービスの生産性が上がり、一定水準以上のものが画一的に大量生産され、誰もが以前よりも安く、早く、楽に手に入れられるようになった。大企業、世界一の商品だけが生き残る現在の流れは今後も続くとみられる。
その一方、消費者側では、そういった質の担保された画一的なサービスを利用しつつも、より人とのつながり、ぬくもりが感じられるプロダクトを求めるというムーブメントが現れてきている。
「だからクラフトビールとか、ちょっと質のいいパンを買って楽しむということが増えています。まさにスモールビジネスの役割が大きくなっているということであり、さらに大企業の競争が激しくなるにつれて、増えていく領域の商品。だからこそ、我々のミッションの意義が強まっていると確信しています」
佐々木はそう言って、力を込める。
freeeが目指すもの
これからますます、スモールビジネスの存在感は世界で増していく。
そして、そうであるならば、freeeがその一助となるべく取り組んでいくべきことは何なのか。
『だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム。』
freeeは『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションをさらに前進させ、この新たなビジョンを掲げてスモールビジネスに携わる人々の環境をさらに改善していく。
ビジネスオーナーが自分のやりたいこと、最も情熱を注げることに今より注力できる環境が整えば、 自由度が増し、より良いアイデア、より良い商品・サービスが生まれ、そして、より良い世の中になっていく。
freeeを活用して会社に必須となる様々な業務を行うことで、会計帳簿、請求管理などのバックオフィス業務が自動化され、あらゆる業務とデータがつながることで可視化され、もっとビジネスが管理しやすくなり、スマートで適切な経営アクションが可能になる。
freeeがスモールビジネスに携わる人々に対してワンストップのサービスを提供することで、煩雑で時間の取られる経理作業などの負担をできるだけ軽減し、本業に全力を尽くせる環境作りに貢献できる。
だからこそ、freeeは“統合型プラットフォーム”にこだわる。
佐々木も「自分らしさの実現のためには面倒くさいことから解放される必要があります」と言い切る。
今後も統合型経営プラットフォームを目指し、多岐にわたるプロダクトを提供していくつもりだ。統合型経営プラットフォームの柱の一つである「統合型クラウドERP」は、元来、導入コストの高さから大企業が主に活用してきたものだが、freeeは「だれでも簡単に利用できるのが重要なコンセプト」(佐々木)という信念を元に開発を続け、突き進んでいく。
だれもが自由に──。
スモールビジネスは世界を変える。だから、freeeも変わり続ける。
※新戦略発表会の中では、21年4月にfreeeグループにジョインしたサイトビジットの鬼頭政人代表も登壇し、同社の戦略などについて述べた。(写真左:鬼頭代表、右:佐々木CEO)