人的資本経営に向けた
取り組み

DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)

ダイバーシティ推進の体制

freeeでは、組織が拡大する中でも一人一人のメンバーが自らの能力を最大限発揮できるような環境を整えるための体制を構築しています。2018年にダイバーシティ推進室を設置し、2022年10月からはChief Culture Officer(最高文化責任者、以下CCO)を当課題解決の責任者として任じ、2024年1月からCCOの下に専任チームとしてDiversity, Equity & Inclusionチームを設置しました。多様な人が働きやすく、全力のパフォーマンスが出せるようDEI(Diversity, Equity & Inclusion)を重視した環境作りを推進しています。 あわせて多文化共生の観点から、Globalization Success部を新設し、開発組織を起点として、言語や国籍に寄らないインクルーシブなコミュニケーションの設計、浸透を進めています。

その他、プロジェクトチームとして、CCOが委員長を務め、CHROの他、ビジネス組織の人事担当役員、エンジニア組織の人事担当役員で組成する「ジェンダーギャップ解消委員会」や、2024年4月1日の「改正障害者差別解消法」施行を受け、当社グループのプロダクトやサービスを利用する上で障害のある当事者からの相談を受け付ける専用窓口の運営者として、プロダクト担当者や採用に関わる従業員で組成する「合理的配慮委員会」を通して、各種課題の解決に取り組んでいます。

多様なメンバーの活躍支援

freeeでは、2018年より一貫して、多様な人材が持続的に活躍できる環境を作るために、入社時及び管理職登用時にダイバーシティに関する研修(「アンコンシャス・バイアス」研修を含む)やアクセシビリティー研修を行い、継続的に全社に対する意識醸成を行っています。

freeeグループはLGBTQ+ (レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クエスチョニング、その他性的マイノリティ)等の多様なメンバーが活躍しやすい環境づくりとして全社研修や、相談窓口の設置、同性パートナーも対象にした制度づくり等に取り組んでいます。2024年5月より、「freee人事労務」を用いて、従業員の性別について戸籍上の性別とは別に生活上の性別を所属組織を介さずに登録できる仕組みを作り、移行期前後に関わらずトランスジェンダー当事者が会社での日常生活において安心して過ごすことができる環境を整備しました。work with Pride 主催「PRIDE指標」で「ゴールド」賞を獲得、加えてD&I Awardでは「BEST WORKPLACE」(最高位)、「Top Inclusive Company賞」を受賞しています。

ジェンダーギャップの解消目標の設定

freeeでは、社内で意思決定に関わる従業員の多様性向上を目指す上で、特に「最大のマイノリティ」たるジェンダーに関わるギャップの解消を重要と位置づけており、「2030年6月期に社員および管理職比率において男女ともに最低45%を達成(残り10%には男女どちらにも性別を分類できないケースを含む)」を目標として掲げています。

目標の設定に先立っては、2023年に代表取締役から全社に向けた「ジェンダーによらず活躍しやすい環境作り」の宣言を行い、日常のコミュニケーションを通して職場環境を整えていく意思を示しています。

多様なキャリアと働き方の可視化

freeeでは、社内でロールモデルを見つけにくくなりがちなマイノリティに向け、社内の他部署のメンターを紹介するキャリア相談制度「キャリアよろず相談窓口」の他、エンジニアリング組織においてはロール定義とキャリアステップごとのスキル要件の明示により、個々人の目標設定・成長を支援し、アサインメントの最適化、キャリアの多様化が進んでいます。

さらに、男女を問わず育児に関わるメンバーが情報交換・交流できるコミュニティとして「つばめっ子クラブ」も積極的に活動を行っています。

障害者が働きやすい職場環境づくり

freeeグループ内独自のユニークな呼称として、「ユニバーサル雇用」という名称を設定し、障害者が働きやすい様々な環境づくりを行っています。

障害者への配慮について様々な形で社内で啓発されており、座席の配慮や、オフィスやグッズへの点字付加、社内外の資料等の画像にはキャプションをつける、図表を説明する際にも言葉で補足するなどの活動が根付いています。また、色弱者へ配慮した色選択なども行っています。

またfreeeグループでは、アクセシビリティに配慮した自社サービスを社内でも活用しており、障害者が働きやすい環境づくりを促進しています。

合理的配慮への対応方針

freeeではこれまでもお客様や従業員等のステークホルダーから自身の障害に起因する困りごとに関する相談があった場合には、建設的な対話を通して解決策を模索し、必要な調整を行ってきました。

より組織的に調整をしやすくするため、以下に挙げる整備を進めています。

  • 部門間で認識を揃えていくための社内委員会の設置
  • 合理的配慮を理解するための社内研修の継続的な実施
  • 問い合わせ窓口の設置、および社内エスカレーションルートの整備
  • 対応内容の事例化と社内周知
  • 事前的改善措置(環境の整備)の実施

メンバーのグローバルな活躍を促進

freeeグループは海外拠点(フィリピン)を運営しており、多くの現地メンバーが活躍しています。

国内外の外国語話者に向け重要な社内の案内を日英併記にするなど情報格差を生まない工夫を行うとともに、多文化共生の観点から、Globalization Success部を新設し、開発組織を起点として、言語や国籍に寄らないインクルーシブなコミュニケーションの設計、浸透を進めています。

また拠点間での相互連携を通じ、総合的な技術力向上を図るなど、メンバー一人ひとりが実力を発揮できる育成や、イノベーション創出を促進する組織マネジメントに努めています。

労働安全衛生・メンタルヘルスに関する方針の策定

労働安全衛生

freeeグループは、すべてのメンバーが、安全と健康であることを守り、さらにワクワクしながら健康かつ生産性高く働き、成長と働く幸せを実感できる状態を構築することが重要な役割であることを認識しています。法令順守のもと、衛生委員会を設置し、メンバーの危険又は健康障害を防止するための基本となるべき対策を講じ改善に努めています。また、産業医及び衛生管理者により、職場巡視を実施し、安全衛生上の問題点を早期に把握し、改善に取り組んでいます。

メンタルヘルス

freeeグループでは、2週間に1度の簡単なアンケートを実施し、メンバーのコンディションを把握し、不調者を早期にフォローしていきます。また、日々の悩みを解消し安心して働いてもらうため、メンタル面・フィジカル面をフォローするための専属産業医による相談窓口を設置。さらに、心理カウンセラーによる相談窓口を設置して、キャリアやプライベートな悩みについても相談ができる環境を整えています。

ワークライフバランスを実現する取り組み

仕事と家庭の両立を支援

freeeグループでは、従業員一人ひとりがライフステージの変化に応じて健康かつ生産性高く働き、成長と働く幸せを実感できる状態を体現できるよう各種制度を整えています。社内には、個人の事情に応じた柔軟な勤務形態を尊重する風土が根付いていて、多様な働き方の実現とワークライフバランスの支援に力を入れています。

<産休育休明け職場復帰サポート制度>

  • 認可外保育園金額補助
  • 家事代行補助
  • ベビーシッター補助
  • 労務復職前面談、マネージャーによる1on1の実施

<産休育休明け職場復帰サポート制度>

  • 働き方freee(時短勤務制度)
  • 引退制度(定年制度に代わる自律的に引退条件を決める制度)

柔軟な勤務形態を認める制度の整備

働き方においては、フレックスタイム制と裁量労働制の導入に加え、家事育児介護の場合に限らず時短勤務を選択することが可能な「働き方freee」制度も導入し、メンバーの多様な働き方の実現やワークライフバランスを支援しています。

また、在宅勤務制度(リモートワーク)や、本業に支障の無い範囲での副業を認めています。

労働時間を把握し、適正に保つ取り組み

残業時間が45時間/月を超えそうなペースで労働している場合、マネージャー及びメンバー本人へアラートメールが「freee人事労務」から送信されるよう仕組化されています。

従業員エンゲージメントの向上

freeeグループは自組織を「ムーブメント型チーム」(※)と位置づけ、freeeグループの掲げるミッション・ビジョンに対して各従業員が自律的にアクションを起こし、その熱狂が伝播することが重要と考えております。そのため、ミッション・ビジョンを浸透させることやその実現に向けての道筋の丁寧な共有を行うと共に、従業員の自律性・働きやすさを担保し、業務上のつながりを超えたつながりを創出することが、従業員のエンゲージメント向上、ひいては熱狂が伝播しやすい環境の整備につながると考えています。

※ムーブメント型チーム
freeeグループが定める価値基準の一つで、「ミッションに共感し集まった仲間たちが自律的にアクションを起こし、その熱狂が伝播することで、より良い相乗効果を生み出していく集団である」と定義しております。

社内情報共有

freeeグループでは、全従業員が自律的に、かつ組織として同じ方向に向かって進んでいくために、経営陣と現場社員間での情報共有と、組織間における重要情報の共有の場、機会を設けています。経営陣から現場社員に向けての情報共有に関しては主に2つの場・機会が設計されており、経営陣から直接全社員向けに情報共有する「freeers総会」、経営陣から部長・課長を通じて全社員に情報共有するため、経営会議から各課の会議まで一連で情報共有する為の会議がそれぞれの部署で設定されています。

出社を促進するオフィス作り

freeeグループでは、会議の生産性や事業の推進スピードを大きく向上させることを目的に、全日原則出社としています。その上で、育児や介護の当事者や突発的な個別事情に配慮し一定もしくは都度のリモート勤務を認めるなど従業員の働きやすさとの両立を行っています。更に、「出社したくなるオフィス」をテーマに、理想のオフィスにあってほしい機能・スペースを従業員から募集し、実際に叶えることで、それらの空間を通して部署を超えたコミュニティの形成を促し、自発的に出社したくなるオフィス設計にしております。これらの取り組みを通じて、リモートワークのみでは実現できない、質の高い、スピード感のある事業運営を実現しております。

従業員同士のつながり作り

従業員のエンゲージメント向上、熱狂が伝播しやすい環境づくりの一環として、従業員同士の業務以外でのつながり作りを促進しています。具体的には「オフカツ」という社員同士が趣味などを通じて繋がることをサポートし、「Shall We Lunch?」という部署を超えた従業員同士のランチ費用のサポートをし、「ファミリーデー」を年に2回程度実施することで、同じ年代の子供をもつ従業員同士のつながり作りを促進しています。これらの施策は出社すること、対面で会うことを前提としており、出社方針や出社したくなるオフィスとの相乗効果を狙っています。

成長支援の取り組み

freeeグループでは、従業員が個々の強みを活かしながら成長することが、freeeグループの長期的な成長に繋がるという考えのもと、より多くの挑戦機会と継続的に学び続けられる環境を提供することで、従業員一人ひとりの成長を加速させることを目指しております。 具体的には、以下のような取り組みを重点的に行っております。

freee style 人事制度

freeeグループでは、基幹人事制度「freee style 人事制度」を成長支援の中心に据えております。「マジ価値を届けきるための成長を加速する人事制度」をコンセプトに、四半期ごとに従業員一人ひとりにストレッチな業務アサインを行い、チャレンジングな目標を設定します。

また、成果・成長について直属マネージャーだけでなく、部署を跨いでマネージャー同士が多面的に議論し、今後の具体的な成長に向けたフィードバックの内容を作り込むことで効果的な成長促進を実現しております。

さらに、freeeグループの内外問わずに従業員一人ひとりが自身のキャリアビジョンを策定することで自律的な成長を促すとともに、その内容を業務のアサインや目標設定に活かすことで従業員の自己実現とfreeeグループのミッション実現の両立を追求しております。 

マネージャー育成・支援

freeeグループでは、マネージャーのことを「ジャーマネ」と呼称し、タレントであるメンバーの活躍・成長を後押ししながら、チームの成果・成長を最大化させる役割と位置付けております。

組織拡大を続ける中でマネージャーの重要性が増していることから、マネージャーに期待する役割定義を刷新するとともに、これまで以上にマネージャーの活躍・成長支援に力を入れております。

新任マネージャーがより早期に活躍するためのオンボーディング・プログラムや、マネージャー向けの体系的なトレーニング、定期的なサーベイ・フィードバックなどの支援基盤を再整備・拡充することで、マネージャーおよびマネージャー候補の継続的な確保・育成に取り組んでおります。

入社後の早期活躍と継続学習の支援

freeeグループでは、組織拡大を続ける中で新たなメンバーがより早期に活躍できるようにオンボーディングに力を入れており、充実した入社時研修や個別フォロー体制による社内人脈づくりや業務に必要な知識獲得の支援をしております。

また、オンボーディング後もより活躍・成長し続けられるように、業務に関連する書籍を月3冊まで購入できる「書籍費freee」や、業務に関連する学びの費用を補助する「ジブングロースハッカー」などの学習支援制度を整備し、従業員一人ひとりの継続的な学びを後押ししております。

エンジニアリング組織の取り組み(キャリアの複線化)

エンジニアリング組織では、組織力の向上と個人の成長支援の目的から、エンジニアのロール定義とキャリアステップごとのスキル要件の明文化を行いました。

freeeのエンジニアに求められるロールを、”エンジニア”という単一的な表現からPdL(Product Lead),EM(Engineering Manager),TL (Technical Lead),IC (Individual Contributor)の4つに定義し直し、それぞれのロールにおけるキャリアステップを明文化することにより、個々人のロールやキャリア志向に沿った明確な目標設定と組織内アサインの最適化を行い、個と組織の成長支援に繋げています。